国際通貨基金(IMF)によると、世界中の雇用の40%近くが人工知能(AI)の台頭で影響を受ける可能性がある。こうした流れは格差を深刻化させる公算が大きい。
IMFのゲオルギエバ専務理事は、14日のブログへの投稿で各国政府に対し、社会的セーフティーネットの構築や再教育プログラムの提供を通じてAIの衝撃に対抗するよう求めた。
投稿は、スイス・ダボスで15日から開催される世界経済フォーラム(WEF)の年次会合に先駆けて公開された。会合でAIは主要な議題になるとみられている。
ゲオルギエバ氏によれば、AIは職場や企業への導入が相次いでいるが、今後は従業員にとって利益と害の両方をもたらすことが予想されるという。
こうした影響は、新興国市場よりも先進国経済においてより深刻に感じられる見込みだ。事務系職員の方が肉体労働者よりもリスクが大きいと見られているのがその一因だという。同様の警告は、かねて他の専門家らも発していた。
たとえばより先進的な国々では、最大6割の雇用がAIによる影響を受ける可能性がある。そのうち約半数には生産性向上の恩恵をもたらすかもしれないが、残る半数については現在人間の行っている作業をAIが担うことになるとみられる。それは賃金の低下や雇用削減を引き起こす。